三叉神経痛も腰痛も肉体的、精神的に強度の負担を強いられると発現する症状です。この負担を「ストレス」いいます。
ストレスを受けた結果が疲労です。その疲労が筋肉を萎縮させ「骨格」をゆがませます。骨格のゆがみは、その人の体質によって、或いは生活の環境によって様々な部位で更に筋肉を萎縮させ、血液循環を障害させることで各種症状が発現するのです。つまり色々の病気が発症するという事です。
三叉神経痛も骨格のゆがみが上肢に及び、鎖骨、頚椎、そして顔面の扁平骨の縫合部分にも「ゆがみ」が生じるようになると、顔面の筋肉が萎縮して、血液循環障害をおこし、更に筋肉が萎縮して三叉神経を圧迫する事で疼痛が発現するのです。
痛みのレベルをステージ1から5に設定してみます。
ステージ1は、違和感があるレベルで生活に支障はありません。
ステージ2は、少しピリピリとしたレベルで生活に支障はありませんが、常に気になる状態で気分は優れません。
ステージ3は、ピリピリ感が強くなり、喋る事、食事をする事が少し障害を受けます。
ステージ4は、ピリピリ感ではなく、痛みが強く。或いは疼痛という状態で普通の生活が辛く、恐る恐る動くことは出来ても喋れない、食事もできません。治まるのを待つレベル。
ステージ5は、強度の疼痛で風が当たっただけでも、近くで物音がするだけでもひびき、うめき声を上げるほどのレベル。ひたすら疼痛が治まるまで貝になった状態。身動きは出来ない。
10月7日に健康相談に来られた方は、福島県の49歳の女性の方です。
39歳の時、精米工場に勤めていて「ギックリ腰」になったそうです。米袋を持つ仕事もこなしたそうですが、持ち方で腰を悪くするので注意を受けていたそうですが、頑張りすぎて痛めてしまいます。
当時は子供が中学に上がり、学業にお金が掛かる時期だったので、女性としては大変な仕事と分かってはいたが、やるしかなかったとのこと。
でも、友人に教えてもらった整骨院の手当てで、直ぐによくなったそうです。
仕事はギックリ腰を契機に、身体の事を考え営業の仕事に代えたそうですが、その2年後、夜中に右奥歯の痛みで覚醒します。
早速歯科医院を受診しますが問題はありません。痛みも直ぐに治まったのですが、忘れかけた頃、再度夜中に痛みで覚醒。
今度は痛みが頻繁になってきたので、別の歯科を受診すると「三叉神経痛」かも知れないのでと、神経内科を紹介されます。
診断名は「三叉神経痛」で、テグレトールを処方されます。
テグレトールは効果が有り、2週間で痛みは消えます。
その後は年に2回から3回ほど、痛みが右奥歯周辺に発現することはあったが、その度に「テグレトール」を服用すると即効性があり、痛みは治まってきたそうです。
漢方薬も試した時期があったそうですが、効果はまったく無かったとのことです。
そのような状況の中で8年余りが過ぎた、今年の3月11日の大地震を契機に、余震が続き睡眠不足の日々が続くと、三叉神経の痛みが発現します。
更に、3年前辺りから、立ち仕事に変えたことで、腰に違和感を感じることがあったが、腰痛も気になるようになってきたそうです。
早速かかり付けの神経内科を受診して「テグレトール」と数種の薬の処方を受けます。
暫くは治まっていましたが、食事の時、食べ物を噛むと痛みが強くなり(レベル4)、次第に薬を服用しても効かない状況になります。
5月の連休後、総合病院の脳神経外科を受診。痛みが強くなっているので、テグレトールとリリカを処方されます。
少し効果は有りましたが、次第に効き目が弱くなり、食事以外の時も痛みが発現するようになります。
そして、テグレトールを100㎎から200㎎に増量して1日2回服用する事態に陥ります。
所が、増量される事で眠けは強くなり、思考能力、記憶力も低下、常に頭が「ボー」とした状態になり、仕事をする事にも支障が出てきました。
10月に入り、友達の所で所用を済ませ自宅に車を運転にして帰ったのですが、家についてから、どの様にして帰ってきたのか、道順すら思い出せない事態に呆然とします。
更に、腰も尋常でない痛みに変わって困惑します。
そのような状況に陥り「藁にもすがる」心境で、薬以外に方法が無いものかとインターネットで検索してみました。
東京の医院で三叉神経痛を薬に頼らず治癒させるというページがあり、連絡してみました。しかし、一週間以内の方はお断りといわれ、更に検索していて、長野市の私のホームページに辿りついたそうです。
10月7日午前中、お姉さんに付き添われて見えました。右頬全体の痛みが酷く、食事の時以外も痛いため、喋る事ができません(レベルは4から5に近い)。
また、腰もかなり痛いと訴えました。
肩、首の緊張度も見ました。最悪です。
横になってもらい頬を温めましたが効果有りません。身体は全体が硬直していて、疲労が限界に達している状態でした。
左足を見てください。
左骨盤が大きく亜脱臼をしていることが分かります。これでは腰が痛いはずです。
腰の痛みは亜脱臼を正せば直に改善されます。
この骨盤の亜脱臼が総ての原因です。
また、三叉神経痛の痛い症状も三日間頑張れば効果が表れてきますから、励まして身体を緩める療法を始めました。
食事は噛むことが困難でしたので、玄米の柔らかいお粥を調理してあげると、お粥が美味しいといわれて、痛い合間を縫って食べ終わると、ほっとした安堵の表情が浮かびました。
その夜は覚醒することなく熟睡できたそうです。
身体の緊張が少し緩んだだけで、これだけ変わるのです。
二日目から三日目にかけて、腰が楽になり身体が軽くなり症状が急速に改善されてきました。
食事も、三日目からは、ゆっくり食べると痛みは出ますが、1分ほどで消えるので玄米を食べる事が出来るようになりました。
四日目申し合わせたように、レベル4から5に近いレベルが1まで下がりました。
この方が一番辛かったのは、食べ物を噛む行為をすると、右頬に鋭い痛みが走るため、食事が出来ない事です。したがって、柔らかい流動食に近い物を、飲み込むようにするしか出来なかった事です。
五日目、仕事をこれ以上は休めないので帰宅する日となりました。
当日の状況です。
食事の時の痛みはレベル1ですが、最悪の時は痛みが発現すると5分10分と治まらなかったのが、手当てを開始してからは、その時間が日々縮小されて、今は直ぐ消えます。
食事以外の時の痛みは消えました。腰の痛みもありません。
肩、首の緊張はかなり緩みましたが、まだまだですので自己療法を指導しました。
五日間の療養でしたが、リフレッシュしたことで、仕事にも復帰が出来ます。
自己療法を覚えましたので、身体を労りながら生活すれば再発は無いと思います。頑張りすぎる事が一番の敵です。
帰り際に「ここは私にとって駆け込み寺です。また、強い痛みが出るようであれば、直ぐに伺います」と、満面笑みを浮かべて帰られました。
その日から数年が経過しましたが、問い合わせは有りません。
克服されて生活されていることでしょう。
平成27年9月