ここ一年間で「三叉神経痛」に苦しんだ三人の方の体験録を、私は持っています。
その内の一人は完全に克服され、もう一人の方も克服にもう一歩のところまで来ています。
そしてもう一人の方は昨年11月中旬「他界」されました。
「三叉神経痛治療の光と陰」について考察してみました。
先にブログに紹介した「ゴッドハンドを持つ名医」に見放されたK・Sさんに、三叉神経痛の症状が出たのは平成9年です。
三年間総合病院の治療に専念しますが一向に改善されず、不信感を持って総合病院の治療から離れ、二年間、個人医院、鍼灸院、民間療法の治療に切り替えてみましたが、痛みの軽減はできませんでした。
その後は痛みが軽減できないことに諦めを持って、一切の治療を断念しての生活をしてきて、昨年4月私の指導を受ける中で、数ヵ月後には痛みは消失しました。
昨年11月に他界されたMさんは、66歳で発症して十年間西洋医学のみの治療を受けてきました。
平成12年に発症、総合病院で「三叉神経痛」と診断され、先ずは内服薬による治療を開始します。薬品名は「テグレトール」抗けいれん薬です。
最初は効果がありましたが次第に薬を増量しなければ効果がなくなります。そして三叉神経痛以外の症状にさいなまれます。
この症状はこの薬の副作用に記載がありますが、使用を続行します。
「めまい、ふらつき、歩行困難、抑うつ、頭痛、目の調節障害、食欲不振、高血圧、便秘、口の渇き、発熱、意識障害、低ナトリウム血症、関節痛」など、これらの症状のために、脳神経外科、内科、整形外科、胃腸科を受診し、これらの症状を緩和すべく、薬の種類が増えます。
多い時で十種類の薬の処方を受けます。
右下あごの痛みのため「藁にもすがる」思いのMさん、そして家族は平成17年11月、内服薬では限界を感じ「微小血管減圧術」の手術をうけることにします。この手術は脳深部の血管と三叉神経が触れている部分に緩衝する物質を挟みこむことで、三叉神経への刺激を抑制する手術です。
しかし、効果はほとんど無く。困惑している中で医師に、最近注目されている「ガンマナイフ治療」を受けることを助言されます。
ガンマナイフ治療は、ガンマ線を三叉神経の根進入部にピンポイント照射する治療法です。
平成18年3月この治療を、東京の某大学病院で受けます。
結果は三ヶ月ほど効果が有りましたが、再発してしまいます。
以降、なすすべが無い状態で内服薬の治療のみになりますが、転倒する頻度が多くなり、くだんの症状に悩まされます。そして寝たきりとなり、平成22年11月「脳浮腫」が原因で他界されました。
某大学病院のホームページに「ガンマナイフ治療」については、「三叉神経痛」にも効果が有る旨の記載がありますが、危険性として「脳浮腫と放射線障害」とあります。
そして「定期的な外来での経過観察にて十分予防できるものがほとんどです」とも記載があります。
平成21年に入り、Mさんは某大学病院に再入院もしています。そして、たらい回しに、大学病院を回り地元の総合病院に戻り、自宅療養となります。
なすすべが無いということです。
私に相談があったのは、昨年の8月です。
なすすべが無い西洋医学の治療の中で、家族の方が髙橋健康指導センターのホープページにたどり着いて、問い合わせがありました。
あまりにも長い年月の薬と手術の弊害は、自然治癒力を呼び戻すには限界です。
脳浮腫が死亡原因です。
「光と陰」
k・Sさんは、三叉神経痛の治療として「微小血管減圧術」「ガンマナイフ治療」が、確立されていない時期に西洋医学の治療から身を引いたのです。諦めであっても、西洋医学の治療では治らないと確信したのです。
Mさんは、素直に医師を信じて、医師の指示通りに西洋医学の最先端と言われる治療法に身をゆだねたのです。
K・Sさんも発症がもう少し遅れて、新たな治療が試されている、17年以降であったなら、どうなっていたかは運命の悪戯でしょうか。
今回三叉神経痛で苦しんだ米国の男性Bさんが、昨年の11月から見えています。
私のブログ「ゴッドハンドを持つ名医から見放された三叉神経痛克服」を読んで、千葉県からです。
詳細は、克服しましたら紹介させていただきますが、米国の航空会社の役員をしている多忙な方です。
K・Sさんと同じように、右下顎の激痛のため精神的にも追い込まれていましたが、現在は薬の服用もなくなり、痛みも感じないか、出ても我慢できる状態まで改善しています。
発症は2001年ですから、十年前です。
以来、米国の主治医から薬を処方してもらい世界中を飛び回っていました。
昨年日本支社に駐在となり、いよいよ我慢の限界を超えて「微小血管減圧術」を日本で受けましたが、Mさんと同じで結果は暫らくの安堵でしかありませんでした。
三叉神経痛の治療の定番は、次に「ガンマナイフ」のようです。
私のところに見えたときも「ガンマナイフ治療」を受ける段取りをしているとのことでした。
選択肢は色々あるので、先ずは当センターで「総合療法」をして、体質改善をしましょうと指導しました。
週一回の指導で、二ヶ月が過ぎたところですが、薬の服用は必要ないところまで、痛みは軽減しました。
後は、本人が自己の身体をいたわる生活ができるかにかかっていると思います。
医術の進歩といっても、副作用が付きまとう危険極まりない治療でも、痛みが取れない患者には、医師は最後の望みを賭けて最先端治療を勧めます。
医師ができる治療は、医学会が公認した治療だから、治る確率が低くてもやるしかないのです。他に治療法がないのですから。痛みに耐えかねた患者と対峙したら、新たな治療法があれば勧めるでしょう。
これが西洋医学の実態です。医師も責める事はできません。
でも、自分の手当て法は、自分で選んでも悪い事はないでしょう。
くだんの三人の患者さん。
西洋医学の治療から逃れた方は、三叉神経痛を克服したという事実を、三叉神経痛で苦しんでいる方は、肝に銘じるべきでしょう。
そして多くの皆さん、薬や手術の陰にひそんでいる危険性を知ることです。
高橋健康指導センター 髙橋純一 平成22年12月