中田君(仮名)は高校三年生の18歳です。
高校は全日制ではなく「通信教育」を受けていますから、日々の日課を立て一日自宅で過ごしていますが、パソコンでの作業も多く、外に出ることの少ない生活をしてきました。また、スマートホンもよく利用してきました。
そのような生活の中で、今年の6月下旬ごろから左側の下顎骨から左顎関節周辺、左耳の周囲に発作的に痛みが起きるようになりました。
最初は我慢ができる程度の痛みでしたが、次第に気になる痛みになったので、7月11日一般内科を受診、そこで総合病院の耳鼻科を紹介され、鼻からカメラを入れての検査、CT検査も受けましたが異常がないということで、神経内科を紹介されます。
神経内科ではMRIの検査を受けましたが、異常はみつかりません。
しかし、痛みが治まらないので「三叉神経痛」との診断で、テグレトール200mg処方されます。
ところが3日後に、左耳の聞こえが低下したため、再度耳鼻科を受診すると、メチコバール(ビタミンB⒓)ムコイダン(去痰薬)を処方されます。
難聴はその後改善しましたが、三叉神経痛は治まらず、一日数回発作的に起こるので、ロキソニン(解熱鎮痛消炎薬)を一日1回ないし2回服用します。
ところが、8月7日の明け方、激しい痛みがおきて薬を使用しても治まらないので我慢ができず、救急外来を受診して、ロキソニン・カロナール(解熱鎮痛薬)を処方されます。
薬のお陰で痛みは弱くなりましたが、一日数回発作が起きることに変わりはなく、日々の薬の服用に「薬物依存症」の危機感を感じて、何か薬服用以外に方法はないものだろうかと、得意のインターネットで「三叉神経痛」の良い手当法がないか検索したところ、当センターにたどり着きました。
平成28年8月19日、母親と一緒に一泊二日の日程で岐阜県から来られました。
私の主張に従い骨盤をみます。
左足を見てください。これだけ左仙腸関節が亜脱臼して上方変位しています。
次に左坐骨上方変位ですが、腸骨は右が上がっています。
ここでは詳細の説明をしませんが、私のブログでは骨盤についての記述がありますから、そちらで学んでください。
「仙腸関節」は「平面関節」ですから、前後左右に動きます。
よって、亜脱臼も左右不揃いに亜脱臼(ヅレ)するのです。
中田君の骨盤は、非常に不自然に歪んでしまっています。
このように骨盤は左右が不揃いに歪むのです。
その歪んだ骨盤の状態で日々生活をしていると、背骨は曲がり上半身も歪むために、顔も傾くのです。
家の土台が傾けば柱も傾き、屋根を支える梁も傾くことと同じなのです。
正面写真は猫背です。
背面写真は、身体が骨盤から左側に傾いていることがわかります。
この歪みが、上半身に強い筋緊張を生み出しているのです。
歪んだ身体で運動をすることも散歩ぐらい、ほとんど家の中で勉学やインターネットに明け暮れた生活の末に、筋緊張が限界を超えて不快な情報が三叉神経節を興奮させて三叉神経痛が発症したのです。
参考までに、施術後の骨盤です。
仙腸関節が正されたので両足が揃いました。両坐骨・両腸骨も整いました。
この状態が保てれば、体の歪みは修正されてきます。
そのためには、暫くは継続した手当てが必要です。
筋肉の過緊張をとるためには、自己療法のみでは追いつかない場合もあるからです。
中田君は、8月19日20日2日間、三叉神経痛を克服する知識を学び手当てを受けます。
自己療法として、骨盤を整える運動、身体の筋緊張をとるストレッチ、基本的日常生活の心得、食事の原則を学びました。
そして、私が三叉神経痛の筋肉の緊張をとるために開発した「免棒」も購入しました。
この二日間でも、三叉神経の痛みは改善したそうです。
9月1日から7日まで集中手当てを受けます。
服用薬は9月4日をもってすべてやめました。
少しの痛みに驚かないで、薬を止めることが必要です。
手当てを受けていると痛みが緩和されてきます。
緩和されて来れば、薬は止めても前のような強い痛みは、先ず出ることはありません。
経験から分かるのです。
中田君は8月下旬から三叉神経痛は消えていったそうです。
10月は18日から20日まで3日間手当てを受けました。
もう三叉神経痛は出ていませんが、中田君は「あの痛みに見舞われるのは沢山です。」と、その後も毎月三日間ほど継続して通っています。
体の歪みを比較してみました。
8月19日の写真は、猫背で顔が右に傾き、両肩が下がり、溌溂さのない疲れた姿勢です。
9月1日は、背筋が伸びて猫背が治っていますが、右肩が前に捻じれ、まだ緊張が感じられます。
10月18日は、顔はまだ若干右に傾いていますが、両肩もそろい、身体の姿勢もよくなって、身体の緊張がとれてリラックスしています。
中田君の経過写真を見ると、手当てや自己療法で身体の歪みが正されていくことが如実に分かります。
体の歪みが三叉神経痛を引き起こすのです。
歪んだことで、様々な負の生体反応が体内で起きるということです。
薬・神経ブロックなどなど、必要ありません。
身体をリフレッシュさせる幾つかのプログラムを消化してゆけば、克服が可能なのです。
中田君は若く新陳代謝も旺盛な年頃ですから、終息も早かったということは確ですが、年輪を重ねていても、根気さえあれば克服は可能でしょう。
半年でも、1年でも2年でもという心構えが必要な人もいるでしょう。
考えてみましょう。
三叉神経痛で病んでいる人をみると、長い年月、手先を酷使する仕事、働き尽くめ、家族間や職場のストレス、不自然な姿勢での作業、傷心の苦しみ、不規則な生活などに、骨盤の弱みを持つ体質、いわゆる「腰痛」経験者や腰痛で病んでいる人が多いのです。
稀に、骨盤が歪んでいても「自律神経失調症」に陥っていて、腰痛を感じない人もいます。
長い年月、身体を労わることなく生きてきた結果が、多くの人の三叉神経痛の原因ですから、時間がかかっても仕方がないのですが、人間は、早く早く治したいから、薬・神経ブロックなどなどに関わります。
その結果、多くの方が「痺れ感」などの副作用や後遺症を背負うことになっています。
西洋医学の手当ては「身体を健康にする」手当では絶対ないことを、肝に銘じてください。
中田君は、私の指導を守り、月に何日かの手当てを受けることで、三叉神経痛を乗り越えました。
集中治療も必要ですが、自己療法を学び、毎月幾日か通い、身体の歪みを取るという治療方法も効果があることが解りました。
今回は身体の歪みが正される経過をまとめて紹介しました。
正されることで、三叉神経痛も消えていくという事実です。
三叉神経痛でお悩みの方はメールでご相談下さい。
平成28年12月 高橋健康指導センター 高橋純一
メール j-t@mx1.avis.ne.jp
[mx1の1は、l(エル)ではなく数字の1ですのお間違えないようにしてください]
☎ 026-224-9070 fax026-224-9072