運動することが健康に結びつくという空気に満たされている日本列島、それは非常に良いことです。
ですから、スポーツジムから、高齢者の健康をサポートする運動施設もあります。
更に、30分の筋トレ施設、散歩、ランニング、サイクリング、少しハードな格闘技などで身体を鍛える人もいます。
肉体を運動で鍛えることは間違ってはいませんが、しかし、その人の生活環境や体質、体力、年齢によって、度を過ごすと健康どころか、健康を害する事態になることもあるということも知らねばなりません。
三叉神経痛の発症原因を探っていくと、過度な筋肉運動によってその素地を作ってしまった人も結構多いのです。
何故、運動することで、顔面に痛みを引き起こす三叉神経痛に見舞われてしまうのでしょうか?
今回はお二人の方の症例から考察します。
Aさんは、今年85歳になります。
昨年2月頃から右奥歯に痛みが出ますが、治ったり痛くなったりの繰り返しのなかで医療機関は受診しませんでした。しかし、12月に入ると痛みの度合いが強くなり、我慢ができなくなったので、歯科医院を受診しますが歯には問題がないことから、総合病院の口腔外科を紹介され、診察結果から三叉神経痛と診断されました。
医療機関ではテグレトールを処方され、6時間単位で100mgから200mg服用してきましたが、次第に痛みが強くなり、何か他によい手当法がないものかとインターネットで検索する中で、当センターのブログにたどり着き4月から通われています。
初回時の背後から全身を見ると、85歳といえどもしっかりした体格をしています。
でも身体は右側に傾いていますから、骨盤が歪んでいます足の長さは右足が短いので単純には「右仙腸関節」亜脱臼です。肩をみてください。筋肉は太く硬く緊張は並ではありません。
最初のころは肩の筋肉を親指と人差し指では掴めないのです。どのようにして、このように硬い筋肉ができたのか伺ってみました。
Aさんは80歳までは健康体で「病気知らず」で過ごしてきたそうです。平成24年80歳になったとき、年下の友人に誘われ近くの「スポーツジム」に通い始めたそうです。
それも半端ではありません。ほぼ毎日1年間通ったそうですが、健康健康と思い、苦しくなっても頑張り、結果は楽しくて様々な器具も使用したそうですから、この筋肉が出来上がったのでしょう。
足のふくらはぎも太く、でも筋肉はカチカチです。
病気知らずに「過信」したのです。
ジムは1年で止めたそうですが、平成26年に入ると体調が悪くなり診断の結果「水頭症」に罹患したことが判明します。
水頭症は、脳内の脳脊髄液の流れに影響が起こり、脳圧が高くなることから、歩行障害や尿失禁、嘔吐、認知症などの症状に見舞われる病気です。
多くは脳の病気の後遺症として発症するのですが、Aさんは後遺症ではなく、原因が不明な水頭症です。
1ヶ月入院する中で、髄液をパイプにより外部に排泄する手術を受けます。
症状は安定したのですが、1年後の27年6月転倒して右足の「大腿骨頭」を骨折します。
骨頭の頚部には「人口骨」を入れたそうです。
そして28年2月頃から三叉神経痛の症状が出始めます。
そして正式には12月に「三叉神経痛」と診断され、薬の服用を始めました。
4月から当センターで手当てを開始しましたが、症状が一進一退です。
肩の筋肉やふくらはぎの緊張が取れないのです。
5月下旬、頭痛が酷く吐くことで手当てを休みます。
水頭症の症状ですが、肩首の筋緊張も頭痛や嘔吐を誘発しますので、筋緊張が取れないことに、私は疑問を持ちもう一度聞き取りをしました。
昨年8月からは「デイサポート」という施設に週何回か通っているという話は聞いていましたが、デイサービスのような施設と私は思い込んでいました。
所が、よくよく伺うと、その施設でも運動をしているというのです。
自転車こぎ、上半身の筋トレもやっているというのではありませんか。
これでは筋緊張が取れるはずはありません。
早速その施設へ通うことは中止にしました。
Aさんの80歳から85歳までの間の出来事を紹介しました。
健康体であったAさん。
80歳という年齢に達してスポーツジムに通い、楽しいからと頑張った結果は、身体全体の筋緊張だったのです。
加齢とともに健康体でも筋肉は硬くなる性質があります。
鍛えて太くなった筋肉、硬くなる筋肉、筋肉を柔らかくすることなど誰も教えてくれません。
硬い体では、血液もリンパ液も、神経の流れも停滞します。
結果、身体の生命現象が低下する中で、Aさんの最も弱い部分として水頭症に罹患したのです。そして翌年転倒骨折は以後の生活の動きに制限を与えます。
そして三叉神経痛の素地は「筋緊張」です。
筋緊張の不快な情報が「三叉神経節」を興奮させるからです。
そして水頭症の脳脊髄液の循環障害や脳圧が微妙に高くなることも三叉神経痛の素地になります。
脳圧が、顔面に三叉神経繊維を貫通させる「蝶形骨」に歪みをもたらすからです。
また、脳圧が高く成れば脳が膨らみます。
膨らんだ刺激が三叉神経線維を圧迫することも考えられます。
5月下旬に起きた「頭痛・嘔吐」は水頭症の症状ですから、髄液を排泄してはいますが、脳圧の調整は乱れることもあるということです。
Aさんは当初、肩凝りも腰の痛みも感じていませんでしたが、経過の中で「腰が痛い。肩が辛い」と感じるようになりました。
神経が改善した証です。
身体は間違いなく健康体に戻ってきました。そして7月下旬には楽になったと感じるようになりました。
身体が少しずつですが柔らかになり歩行もしっかりしてきました。
痛みがなければ元気で朗らかなAさんです。
しかし、三叉神経痛の痛みはまだ克服ができていません。
その根本原因は水頭症にあると考えますが、手当てを始めたことで身体は間違いなく健康体に変わってきています。
まだまだ変わることでしょうから、諦めることなく手当ての継続を指導しています。
Bさんは愛知県から、9月13日においでになりました。
背面の写真で気付くことは両肩が不揃いで、顔も右に傾いていること、もう一つは体格がよいということです。
この体格は鍛えた体格です。
身体が歪んでいるのは、申すべきもなく「骨盤」が歪んでいるからです。
初回時の足の長さを見てください。
右足がこれだけ短いのです。右仙腸関節亜脱臼です。仙腸関節調整をすると骨盤の歪みは取れましたから、両足が揃いました。
余談ですが、足の長さが違うと言って「足を引っ張ることで揃いました」という話や「短い脚側の骨盤を立たせて叩く」手当をするという話を聞きますが偽物の調整です。骨盤を整えるには「仙腸関節」の角度に合うように「腸骨」を調整する必要があります。
その技術がなければ正しく骨盤を整えることは出来ません。
さて、Bさんの話を伺い、三叉神経痛の原因を探りました。
平成14年、年齢は30歳の時に健康のためと思い週に4回スポーツジムに通った。
5年間やり通したことで筋肉はできたが、仕事が忙しくなり運動はピタッと止めてしまった。
体重が増え血圧が高くなってきたので平成24年(39歳)から、1時間ほどの散歩をするようにし、降圧剤も服用するようになった。
その年の5月左下顎の奥歯に強い痛みが発現したが、痛みはすぐに消えた。
平成25年4月痛みが再燃、今度は治まらないので歯科医院を受診するがはっきりしないので、総合病院の歯科口腔外科を紹介され、三叉神経痛と診断される。
テグレトール200mg・リリカカプセル75mg朝1・夕1処方される。
その後痛みは治まらず、病院を変えて診断を受け、疼痛時には「ロキソニン」も服用、リボトール錠・ノイロトロピン錠・トラムセット配合錠・ガバペン錠などの処方を受けるが、痛みは変わらない。
平成26年にはMRI撮影をしたが、神経に血管が触れているかについては定かではないとの診断を受ける。
そして平成27年3月の健康診断では、HDL(善玉コレステロール)の数値が基準より下がって薬の服用始める。
今年3月の健康診断では、HDLも低いが、RLP(レムナント様リポタンパクコレステロール)が基準を大きく上回り、高脂血症薬、心不全薬、胃潰瘍薬なども服用を始める。
三叉神経痛の薬に加え、更なる薬を服用することになり危機感を募らせる。
三叉神経痛は、40歳を過ぎて会社の管理職になってから更に痛みの回数が増えたと感じるとのことです。
薬の服用のみでなく、神経ブロック・手術・放射線の説明も受けたが、もう一歩踏み出せない中で、当センターを見つけたということです。
9月13日から3泊4日の健康指導の結果は、来る前の痛みレベルを10としたら、帰る時のレベルは3ですと答えられました。
三叉神経痛の薬服用は止めているのです。
夜もよく眠れるようになり、睡眠不足の疲れも一変しましたと満面笑みで語ってくれました。
Bさんは30歳より5年間筋肉トレーニングに精を出します。
筋トレをすることで運動量が増えますから、食事の量も増えます。肉も大好きで食べてきたそうです。
現在の体重は73kg、身長172cmですから、体重が多すぎます。
運動を止めたが食事量は変わらず、メタボリックシンドロームに侵されてしまいました。仕事のストレスも増えるなかで、運動を止めたことで筋肉は使われなくなるので硬くなる一方です。
硬い筋肉で骨盤は歪み、身体も歪み、体調は「坂道を転がり落ちる」ように悪化してきたのです。その不快な情報が「三叉神経節」を興奮させていたのです。
運動することはよいことですが、筋肉の柔軟性も考え「ストレッチ」にも時間をかけねばなりません。
運動する人は「動物性たんぱく質」を過剰に摂取しがちです。
エネルギーを使うので、エネルギー補給に高カロリーの「肉」となりますが、肉は恐ろしい食べ物なのです。
肉が健康の良いので「肉を食べましょう」と推奨する栄養学者も大勢います。
しかし、高カロリー高たんぱくの肉は、血液を汚し、血管を傷め、心筋梗塞や動脈硬化を引き起こす筆頭ですから注意が必要なのです。
細胞膜は油脂から作られます。
動物性の油脂は「飽和脂肪酸」といい細胞を硬くする「脂」です。
植物性、または青背の魚は「脂」ではなく「油」で「不飽和脂肪酸」といい、細胞を柔らかくします。
硬い体が健康によいか、柔らかい体がよいか、自ずから解りますね。
もう一つ、体質がありますから、血液検査で中性脂肪、コレステロールに問題が出たら「肉」は要注意です。
特に、三叉神経痛に罹患している方は、克服するまでは肉は厳禁です。
Bさんには、食生活の指導もしました。
昼と夜は当センターの食事を提供しました。
成人を過ぎたら成長は終わりますから、少食を基本として、時折「おご馳走をたべる」でよいのです。
終わりに、Bさんに差し上げた処方箋です。参考に掲載します。
平成29年 10月9日 髙橋健康指導センター 髙橋純一
「☆中性脂肪・悪玉コレステロールの対応
小豆ポリフェノール悪玉コレステロールによい。・・毎日小椀一杯小豆食す。
サトウキビオリゴ糖を飲み物やヨーグルトに入れる。
豆乳ヨーグルをつくって食す。
オリゴ糖・豆乳ヨーグルは腸内細菌の善玉を増やす。
☆高血圧・・根昆布を180ccの水(ミネラル水か上質の水)に3から5枚(3㎝×3㎝)、干しシイタケ1個、冷蔵庫で一晩翌朝飲む。
暑がりの人は別の時間にもう一杯飲んでもよい。
根昆布はミネラルが多く、血管壁を丈夫にする。
干しシイタケは血管の脂を洗い流す。
血管を拡張させる「天然炭酸水」を飲む。
血管を丈夫にし、血液をサラサラにする「DHA・EPA」の油を摂取する。青背の魚。亜麻仁油・えごま油・ゴマ油・菜種油・オリーブ油など。
また、種実類を少量毎日食す。α―リノレン酸を含有しているので体内でDHA・EPAに変わる。
☆尿酸やメタボは、穀菜食に近い食事にするとよい。
朝は、野菜ジュースぐらいか、寂しいようなら玄米がゆと梅干しで。
魚は夜ぐらい。哺乳類の肉は控える。卵・牛乳は控える。
飲みたければ豆乳。
大豆製品、豆腐・厚揚げ・焼き豆腐など植物性たんぱく質を肉の代用にする。
ドクダミ茶は腎臓に働くので利尿効果があり尿酸の排泄が高まる。
☆出来上がった筋肉に柔軟性を持たせる「ストレッチ」を日課とする。
☆弱った臓器、肝臓・腎臓・丹田に30分のコンニャク湿布をする。」
わたくしの思い!
三叉神経痛で苦しんでいる皆さん
私は坐骨神経痛と腰痛そして首神経痛で苦しみました
首神経痛なんてありませんと言われますから、首が「ギクッ」となって
動かなくなるので「ギックリ首」と名付けました
21歳で発症して18年間 さ迷い歩いて 治してもらうところをみつけました
お医者さんはどこに行っても同じ
馬鹿にする医師もいました
筋肉がないから痛いのだというのです
私も勉強不足
どうして治らないのだろうと考えても 何が何だかわからない
でも18年たってみつけた先生は本物でした
簡単に治らないというのです
そして、治らない理由を教えてくれました
こんな話をしてくれた先生は18年間一人もいません
治すのは自分の努力だということです
治す方法を教えてもらったのだから
後は自分次第ということです
三叉神経痛も
治す方法を私がお教えますから
後は あなた次第でしょう
髙橋健康指導センター 髙橋純一