(仮名)前島みそらさんは中学三年生、今は高校入試の受験勉強に明け暮れています。
そんな若い、みそらさんも三叉神経痛に短期間悩まされます。
10月8日のことです。当日は土曜日で学校はお休みですが、受験勉強を頑張らなくてはなりません。
普段通りに起床して朝食を食べようとした途端、右側奥歯に強烈な痛みが走ります。
あれあれ何だろうと「狐につつまれた」ような状態になりますが、暫くすると痛みが治まります。治まった事で朝食を済ませますが、嫌な感じを残します。
昼食も同じように、食べようとした最初に右側奥歯付近に痛みが発現しますが、直ぐに治まり普通に食事ができましたから、その後の食事は痛みが治まれば食することで済ませました。
2日ほどそんな状態が続きましたから、両親は市販の痛み止めを求めて、服用させますが効果は有りません。
すると食事の時のみ右側奥歯に出ていた痛みが、今度は右眼の奥から右側おでこ付近にも痛みが食事以外でも発現するようになります。更に、食事のときの痛みが強くなり治まるまでの時間が長くなります。
このような状態に陥りもはや受験勉強などできません。
10月14日総合病院を受診します。診断名は三叉神経痛で二種類の薬を処方されます。「テグレトール(抗てんかん剤)とロキペイン(非ステロイド抗炎症剤)」です。服用の効果はありましたが、思わぬ事態に悩まされます。
酷い「口内炎」です。このために食事ができません。
両親は、これは薬の副作用ではないかと気づきインターネットで調べます。両方の薬に口内炎の副作用が記載されています。更に、下痢や胃部不快感の症状も出ており、副作用ということが分かりますが、副作用の多さに驚きます。
このような危険極まりない薬を服用していくことで、今後更なる副作用に見舞われ、みそらは廃人になってしまうと危惧し、他に何かよい療法がないかインターネットで検索します。
当センターの「体験談」にたどり着き、薬なしで三叉神経痛を改善した幾つかの症例を読み、希望をたくして10月15日伊那市から来られました。
三叉神経痛は身体の歪みが根本原因です。
正面からの写真を見ます。左肩が下がり顔は右側に傾斜しています。
背骨から首の骨にゆがみがあるからです。
ゆがみの元は骨盤です。
両足の長さを比較します。右足が短いので右骨盤がヅレています。
大仏座りも中学生にしては柔軟性に欠けます。
上肢の歪みは、肩や首、顔面の筋肉群を緊張させて三叉神経を圧迫します。
この身体の歪みを改善して、柔軟性を養う運動をしていくことで三叉神経痛は克服できる事を指導しました。
健康指導中も右側顔面には痛みがあるとのことでしたが、骨盤を整え、上肢の調整が終わった時点で質問してみました。
「みそらさん頬の痛みはどうですか?」
「先生!痛くなくなった。不思議!嬉しい嬉しい!」と大きな瞳を輝かせて喜ぶ姿は、忘れる事ができません。
10月15日帰り際にお父さん「先ずは一安心ですが、再度痛みが出たら直ぐに伺います」と言われて帰られましたが、今年の年末まで来られないので電話をして見ました。
「先生有難うございました。あれ以来三叉神経の痛みは出ていません。驚きました!」という興奮気味の返事が返ってきました。
1回の指導で痛みが半減した方はいましたが、全く消えた方は初めての経験ですので、私も驚きました。しかし、考察すれば、私のところに来られる方は全員が、最初から、西洋医学の手当てに何年か何十年かかわり、何種類の薬を服用し副作用に苦しみ、また、薬の効き目に失望して、手術を受けた方が大半です。
一日のみの薬の服用の結果出た副作用に気づき、他の療法を模索した両親が賢かったということです。
何年も薬の服用を続けても症状が酷くなっていくと言う事は、薬は三叉神経痛の根本原因を改善してくれないからです。身体の歪みの進行を止められないため、最初は薬で症状が改善される事はあっても、ゆがみが進行することで再発するのです。そしていかなる薬も効果がなくなると、手術を選択すると言う事になります。
手術をして何年かは痛みが消える方もいますが、3,4年で再発するようです。つまり、歪みが顔面骨にまで及ぶことで顔面の筋肉群が三叉神経を圧迫する事態まで進行するからです。
しかし、薬の効かない人、手術で再発した人も、歪みをとることで我慢できるまでに改善され、更に手当てを継続することで、身体の緊張が一定のレベルまで緩むと痛みは消失するのです。
みそらさんは発症から8日目に、私の健康指導を受けたのです。
身体の歪みが小さかったこと、そして筋肉群もダメージが少なかったことで、一回で痛みが消失したのです。
12月初旬 高橋健康指導センター 高橋純一